言語聴覚士に対する社会ニーズ ~摂食・嚥下障害~

2018/12/18

 

 

 

1、言語聴覚士に対する社会ニーズ

 

言語聴覚士(ST)は、脳卒中やさまざまな疾患による言語障害や聴覚障害によるコミュニケーション障害や、小児を対象とした言語・構音の問題に対して、治療・訓練をおこなう専門職です。

 

1999年に国家資格制度が始まって以来、おもにコミュニケーションの問題を中心に訓練をおこなってきましたが、発音と摂食・嚥下に関わる器官が共通することにより、約20年ほど前から少しずつ摂食・嚥下のリハビリテーションに関わってくるようになってきました。

 

日本言語聴覚士協会の調査では、現在では、言語聴覚士の7割が何らかの形で摂食・嚥下訓練に関わっています。法的にも、医師または歯科医師の指示の下、嚥下訓練をおこなうことができる専門職種であることは明記されています。

 

2、病院における嚥下チームの中の言語聴覚士の役割

 

摂食・嚥下障害の方たちの中には、高度な低栄養状態や脱水状態の患者様も多く、嚥下訓練どころではない方も多くいらっしゃいますが、すべてのリハビリには、筋肉や基礎的な体力をつけていくことが必要で、そのために「食べる」という栄養の確保がとても重要です。

 

言語聴覚士は、リハビリを通じて毎日患者様やそのご家族と関わるため話しかけやすいこともあり、いろいろなことを相談されやすい職種でもあります。

そのため、病院内の嚥下チームの方針を正しい情報でわかりやすく伝える役割も担っています。

 

3、摂食・嚥下に関わる職種として

 

言語聴覚士は摂食・嚥下障害にかかわる資格を持つ職種として、目の前の患者様へのリハビリに関わることはもちろんのこと、社会からのニーズが大きい領域だからこそ、社会へ貢献することも重要です。

例えば、地域での勉強会や患者会などに積極的に参加してアドバイスやサポートをすることや、その活動と通じて連携できる仲間を増やしていくことも言語聴覚士として大切なことです。

 

また、リハビリのプロとして、患者様やご家族の精神面にも気を配り、安心感や信頼感を持っていただける関係性を築くことも必要です。

嚥下障害の患者様は誤嚥で苦しい思いも経験されていることもあるため、訓練を始めることが不安なこともあります。

患者様の不安な心理状態を理解した上で、「大丈夫」という言葉への信頼で訓練がスタートできる関係性を得られるようにすることも重要です。

 

誰でも、身近なところで、摂食・嚥下に関する相談やリハビリがうけられるようになるためにも、在宅スタッフ(訪問医・訪問ナース・訪問リハビリスタッフなど)や施設内スタッフに、正しいリハビリの知識やアプローチ方法を身に付けていただくことも、連携のけん引役として期待されています。

 

 

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
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摂食嚥下障害について